仕事に慣れてきたころ、ふと「このままでいいのだろうか」と感じることがあります。転職を考えているわけではなくても、これまでの経験を一度整理し、次の一歩を考えたいという人は多いのではないでしょうか。
そのための方法がキャリアの棚卸しです。この記事では、ひとりでも進められる棚卸しの手順と、人に話すことで深める方法を紹介します。
キャリアの棚卸しとは
キャリアの棚卸しは、これまでの仕事の経験を書き出し、そこから自分の強みや大切にしていることを見つける作業です。
- 何をしてきたか(経験)
- そこで何ができるようになったか(スキル・強み)
- 何にやりがいを感じたか(価値観)
これらを整理することで、次にどんな仕事や役割を増やしたいかが見えやすくなります。転職だけでなく、今の職場での働き方を考えるときにも役立ちます。
ステップ1:経験を書き出す
まずは、これまでの仕事を時系列で書き出します。
| 時期 | 所属・役割 | 主な仕事 | 工夫したこと・成果 |
|---|---|---|---|
| 例:入社1〜3年目 | 営業部・担当者 | 既存のお客さまへの提案 | 提案資料のひな形を作り、チームで使えるようにした |
ポイントは、うまくいったことだけでなく、苦労したことや失敗も書くことです。苦労を乗り越えた経験の中に、強みが隠れていることがよくあります。
数字や具体的な場面を添える
「頑張った」だけでなく、「どんな場面で」「何をして」「どうなったか」を書き添えておくと、後で強みを言葉にするときの材料になります。数字で表せるものがあれば、それも書いておきましょう。
ステップ2:強みを見つける
書き出した経験を見返して、繰り返し出てくる行動や、人から頼まれることが多かった仕事に印をつけます。
- 周りから「〇〇さんに聞けば分かる」と言われることは何か
- 苦労せずにできるのに、人からは感謝されることは何か
- 異なる部署や仕事でも、共通して発揮してきたことは何か
自分では当たり前だと思っていることほど、実は強みであることが少なくありません。
ステップ3:「やりたい・できる・求められる」を整理する
次に、3つの観点で整理してみます。
| 観点 | 問い |
|---|---|
| やりたいこと | これから、どんな仕事や役割を増やしたいか。何にやりがいを感じるか |
| できること | これまでの経験から、何ができるか。どんな強みがあるか |
| 求められること | 今の職場や、関心のある分野で、どんな役割が求められているか |
3つが重なるところが、次の一歩の候補になります。重なりが小さい場合は、「できること」を増やすために何を学ぶか、を考えるきっかけになります。
ステップ4:人に話してみる
棚卸しは、ひとりで書き出すだけでも整理になりますが、人に話すことで、もう一段深まります。
- 話しているうちに、自分でも気づいていなかった考えが言葉になる
- 聞き手からの質問で、経験の意味を捉え直せる
- 他の人の経験を聞くと、自分の経験との違いや共通点が見えてくる
信頼できる同僚や友人に聞いてもらうほか、少人数の講座で、立場の違う参加者と一緒に棚卸しをする方法もあります。少人数なら、一人ひとりの話にじっくり時間をかけられます。
棚卸しを続けるコツ
- 一度で完璧にしようとしない:思い出したことを、数日かけて書き足していく
- 定期的に見直す:半年や1年ごとに、新しい経験を書き加える
- 小さな行動につなげる:「来月、〇〇の勉強会に参加する」など、次の一歩を一つだけ決める
まとめ
- キャリアの棚卸しは、経験を書き出し、強みと価値観を見つける作業
- うまくいったことだけでなく、苦労や失敗も書くと強みが見つかりやすい
- 「やりたい・できる・求められる」の重なりから、次の一歩を考える
- 人に話すことで、自分では気づかなかった考えが言葉になる
- 定期的に見直し、小さな行動につなげる
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