教える仕事を始めるとき、多くの人が最初に考えるのはマンツーマンの個別レッスンです。一方で、数名の受講者が一緒に学ぶ少人数講座という形もあります。
同じ「教える」でも、この2つは、収入の構造、準備の仕方、受講者との関わり方が大きく違います。この記事では、教える側から見た違いを整理します。
1回の講座の受講料の合計が変わる
いちばん大きな違いは、1回の講座で受け取る受講料の合計です。
個別レッスンは、教える時間がそのまま1人分の受講料になります。1時間教えれば、1人分。料金を上げない限り、1時間あたりの受講料の合計は増えません。
少人数講座は、同じ1回の講座に複数の受講者が参加します。たとえば、次のように比べられます。
| 形 | 1人あたりの料金 | 人数 | 1回の受講料の合計 |
|---|---|---|---|
| 個別レッスン | 5,000円 | 1名 | 5,000円 |
| 少人数講座 | 3,000円 | 6名 | 18,000円 |
※ 数値は説明のための例です。手数料や会場費などを差し引く前の金額です。
受講者1人あたりの料金は個別レッスンより手頃にしても、1回の講座の合計は大きくなります。教える時間の価値を大きくできるのが、少人数講座の特徴です。
準備の手間は「1回分」で、何人にも届く
資料、教材、練習問題、当日の段取り。講座の準備には時間がかかります。
個別レッスンでは、受講者ごとに内容を合わせることが多く、準備も人数分になりがちです。少人数講座では、1回分の準備が、参加者全員に届きます。参加者が4人でも6人でも、準備の手間はほとんど変わりません。
もちろん、少人数講座でも一人ひとりの理解度に合わせる工夫は必要です。ただ、それは「当日の声かけや講評」で行い、教材や流れは共通にすることで、準備の負担を抑えられます。
受講者との関わり方が変わる
| 比べる点 | 個別レッスン | 少人数講座 |
|---|---|---|
| 進め方 | 受講者に合わせて自由に変えられる | 全員が同じ流れで進む |
| 関わり方 | 一人に深く付き合う | 全員に目を配り、講評を返す |
| 受講者どうし | 関わりがない | 質問や作品から学び合える |
| 受講者の料金 | 高くなりやすい | 手頃にしやすい |
少人数講座では、受講者どうしが学び合う時間が生まれます。ほかの人の質問で気づいたり、作品を見比べたりすることは、個別レッスンにはない価値です。講師がすべてを説明しなくても、場が学びを進めてくれることもあります。
少人数講座に向いている内容
次のような内容は、少人数講座と相性がよいと言われます。
- 練習と講評を繰り返すもの:話し方、文章、デッサン、写真など
- やりとりが学びになるもの:語学の会話、読書会、ディスカッション
- 同じ手順を一緒に進めるもの:料理、ものづくり、ツールの使い方
反対に、受講者ごとに目標や進度が大きく違う内容(受験対策の個別指導など)は、個別レッスンのほうが向いています。
迷ったら「少人数の回」を1回つくってみる
いきなり形を切り替える必要はありません。いつもの個別レッスンとは別に、テーマを絞った単発の少人数講座を1回開いてみると、自分の分野で何人くらいまでなら目が届くか、どのくらいの料金が合うかが見えてきます。
まとめ
- 個別レッスンは「1時間=1人分」。少人数講座は1回の講座に複数人分の受講料が入る
- 準備は1回分で何人にも届き、教材や流れを共通にすれば負担を抑えられる
- 受講者どうしが学び合える時間が、少人数講座ならではの価値になる
- 練習と講評、やりとり、同じ手順を進める内容は少人数講座と相性がよい
料金の決め方は少人数講座の料金の決め方、定員の考え方は定員は何人にする?で紹介しています。